相手の言葉を拾って、話を伸ばした。何があったか、なぜそうなったかまで聞けた。ところが、話がひと区切りしたところで、また沈黙がくる。
ここで、まったく新しい話題を探し始めると、せっかく伸ばした話が途切れてしまいます。
聞き方から考える話し方。法則5は、ひと区切りしたあとの、聞き方です。
法則5 広げる
話がひと区切りしたら、まったく新しい話題ではなく、時間を先へずらして「その後は?」。

話がひと区切り、するところ
相手の話を伸ばしていくと、何があったか、なぜそうなったかまで出て、話がひと区切りするところがきます。伸ばし方は、法則4 伸ばすに書きました。
ここで初めて、話を広げます。
広げるときは、まったく新しい話題を出すのではなく、いまの話の時間を先へずらします。ことばは「その後は?」です。
インタビューの現場では
無名人インタビューの実際の回です。語り手が、転職して2社目は観光施設で働いた、と話しました。
転職して、2社目が全然違う観光施設で働いてて。
聞き手は、その言葉を拾って返します。
「観光施設?」
はい。そうなんですよ。
ここで、観光施設の場面は終わりです。同じ回の、少しあとの場面に移ります。語り手が、その仕事に入るまでのことを話し終えました。
もうその辞めた1年ちょっとぐらい実家にいまして、なので「もう早く出たい、実家から出たい」っていう思いで、ちょうど募集があったので「ここいこ」みたいな感じで受けて受かって、みたいな感じでした。なんで正直そんな興味とかも全くなかったですね。
話がひと区切りしたところで、聞き手は、時間を先へずらします。
「その後は?」
でもその後、そのお仕事がめちゃめちゃ楽しくて、入った後はすごい楽しくて(後略)
── 未来。そうですね、どうなんだろう。難しいですね。なんか、あんまり何か、わかんないです。わかんない。わかんないです。人(無名人インタビュー)
「その後は?」は、内容のない質問です。それでも、話は途切れずに次の時期へ進みました。「そんな興味とかも全くなかったですね」と話した仕事について、語り手は「めちゃめちゃ楽しくて」と続けています。
話題を変えるのとは、違う
「お仕事は何を?」「ご出身は?」と聞くのは、聞く側が話題を変えることです。相手は、新しい話を最初から始めなければなりません。
「その後は?」は、相手の話の続きとして聞いています。だから、話が途切れずに先へ進みます。
うまくいかないとき
ひと区切りしたのか、まだ途中なのか、迷うことがあります。何があったか、なぜそうなったかを話し終えていないなら、まだ途中です。先へ広げる前に、法則4の「〇〇?」で、もう少し伸ばします。
まとめ
法則5 広げる
話がひと区切りしたら、まったく新しい話題ではなく、時間を先へずらして「その後は?」。
次の法則は、伸ばすときに困らない、4つの方向です。→ 法則6 4つの方向で聞く
無名人インタビューについて
無名人インタビューは、2020年から続く一般の方へのインタビュー活動です。16人の制作メンバーが年間約400本、これまでに1,500本以上のインタビューを記事にしてきました。この記事の引用はすべて公開済みのインタビュー記事からのものです。
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