無名人時計主宰の書斎
COLUMN

法則6 4つの方向で聞く|質問が思いつかないときは「いま・気持ち・きっかけ・これから」

会話で、質問が思いつかない。相手の話を聞いても、「へえ」「そうなんだ」の先が続かない。

質問上手な人は、どこからあんなに質問を出しているのでしょう。質問の引き出しは、たくさん要りません。方向が4つあれば足ります。

聞き方から考える話し方。法則6は、4つの方向で聞くことです。

法則6 4つの方向で聞く

質問に迷ったら、いま・気持ち・きっかけ・これからの、空いている方向にひとつ聞く。

聞き方から考える話し方 法則6 4つの方向で聞く。質問に迷ったら、いま・気持ち・きっかけ・これからの、空いている方向にひとつ聞く。× 次の質問が出てこない ○ きっかけは何でしたか?

4つの方向

聞く方向は、次の4つです。

  • いま:今、何をしていますか?
  • 気持ち:そのとき、どんな気持ちでしたか?
  • きっかけ:きっかけは何でしたか?
  • これから:これから、どうしたいですか?

いまの話、そのときの気持ち、始まりのきっかけ、これから。この4つがそろうと、どんな話も、ひとりの人の物語になります。

インタビューの現場では

無名人インタビューの実際の回から、4つの方向を1つずつ見ていきます。

まず、いま。自己紹介のような場面で、今のことを聞いています。

「今は何をしている人ですか?」

はら匠という名前でインド占星術の占い師をしています。普段は、鑑定のほかに、勉強仲間と一緒に勉強会や復習会をしていて、いつかみんなで一緒にインド占星術の館っていうサイトをやれたらいいなと考えてます。(後略)

── 高校ぐらいまで自分のこと女王様だと思ってた人(無名人インタビュー)

肩書きだけでなく、これからやりたいことまで、一言目で出てきました。

次に、気持ち。あるワークショップに初めて参加したときのことを聞いた場面です。

「Naokoさんが初めてこれを体験されたときってどんな気持ちでした?」

実は、実際に申し込むまでに多分3・4年くらいかかってるんですよ。申し込んで参加してしまったらとんでもないことになるんじゃないか、パンドラの箱を開けてしまうのではなかろうか、と。要は怖かったんです。恐怖感がずっとあって。(後略)

── ファミリーコンステレーションに出会ってどんどんくつろいで生きてる気がする人(無名人インタビュー)

「参加しました」から始まる話と、「怖かった」から始まる話は、別の話になります。

3つめは、きっかけ。サロンを始めた時期を聞いたあとに、その始まりを聞いています。

「何かきっかけがあったんですか?」

自分自身の肌トラブルからスタートしたんですけど。自分が今までニキビ肌だったり、肌の構造とか、正しいお手入れ方法を知らないで、自分で自分のお肌傷つけて、ボロボロにしちゃって、皮膚科に行っても良くならず。そんなお肌を見ては、嫌な気持ちになったり、自分に自信が持てなくなって。(後略)

── 現状リセットして「本当にどうしたいの?」ってまず自分から未来を描くことがすごい大切なんだなって実感した人(無名人インタビュー)

何かをしている人には、たいてい、始まりの話があります。聞かれるまで、話す機会がなかっただけかもしれません。

最後は、これから。

「では、未来について質問させていただくんですが、5年後、あるいは死ぬときまで想像して、未来について、どういったイメージをお持ちですか?」

うん。そうですね。だから別に親とかそのなんていうの、自分自身の親を責めてるわけでもないし、別に嫌いなわけではないんですよね、あったとしても。(中略)だから、そこはやっぱり自分がそこを作り上げたいっていうか、家族っていうのを。(後略)

── 家族っていう形がずっとなかった家庭で育ってきてるから自分は家族を作り上げたい人(無名人インタビュー)

これからを聞いたのに、答えは、これまでのことを連れて出てきました。これからどうしたいかには、その人がどんな道を通ってきたかが、詰まっています。

空いている方向に、ひとつ聞く

質問が思いつかないのは、引き出しが少ないからではありません。地図がないからです。

出来事を聞いたら、気持ちが空いています。今の話を聞いたら、きっかけが空いています。相手の話がどこにあっても、4つの方向のどこかが、まだ空いています。その方向に、ひとつ聞く。会話は、そこから続きます。

この4つの質問は、どれも答えを決めていません。「楽しかったですか?」ではなく「どんな気持ちでしたか?」。これは、法則7 決めつけないの話です。

まとめ

法則6 4つの方向で聞く

質問に迷ったら、いま・気持ち・きっかけ・これからの、空いている方向にひとつ聞く。

次の法則では、その質問で、答えを決めつけない聞き方を見ていきます。


無名人インタビューについて

無名人インタビューは、2020年から続く一般の方へのインタビュー活動です。16人の制作メンバーが年間約400本、これまでに1,500本以上のインタビューを記事にしてきました。この記事の引用はすべて公開済みのインタビュー記事からのものです。

聞くことは愛すること。

公開

栗林康弘

このコラムを書いた人

栗林康弘(qbc)

無名人インタビュー主宰/聞く学校 校長/パーソナルコーチ

2020年に無名人インタビューを始めました。自分で872本のインタビューを聞き、423本を編集。いまは自分を含む16人の制作メンバーで年間約400本のインタビューを行い、これまでにのべ132名が聞き手・編集として参加しています。公開した実例は1,500本以上。聞き方の体系として「平聴(フラットリスニング)」を提唱し、2026年に「聞く学校」を開きました。1978年生まれ。(「聞いた」「編集した」は2026年6月30日、チームの本数は2026年8月1日時点)

栗林康弘のプロフィール →
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