雑談が疲れる。会話が嫌いなわけではないのに、終わったあと、妙に消耗している。話が弾んだはずの飲み会ほど、帰り道でどっと疲れが出る。
コミュ力の問題だと思われがちですが、そうではありません。雑談のやり方に、疲れやすい形があるのだと考えています。
聞き方から考える話し方。法則17は、話すと聞くの区切り方です。
法則17 話すと聞くを区切る
話すと聞くを混ぜず、数分間、どちらかの役に徹する。

雑談は、話すと聞くが入れ替わり続ける
雑談を、動作として観察してみます。
相手が話す。聞く。自分が話す。話しながら、相手の反応を見る。相手が口を開いたら、譲る。聞きながら、次に言うことを考える。また話す。
雑談では、話すと聞くが、数秒ごとに入れ替わります。しかも、入れ替わりの合図は相手が出します。だから、いつでもどちらにも回れるように、話す準備と聞く準備を、両方持ったまま待っています。
これが、疲れやすい形です。話すことにも、聞くことにも、没入しきれません。
区切ると、どうなるか
無名人インタビューは、この区切りを極端にした場です。聞き手は、自分の話をほとんどしません。
その場で、語り手はこう話しました。
(前略)いろんな人にこんなに話すの、初めてなんですよ。いろんな人の話を聞いたり、ちゃんと自分のこと喋るのも初めてなんですけど、なんか楽しいですね。
── 「あなたが持っているそのしんどいはあなたの価値観で決めたらいいんだよ」人(無名人インタビュー)
途中でだんまりになってしまうのでは、と心配していた方も、同じでした。
(前略)なんか途中でだんまりになっちゃったらどうしようかな、なんて思っていたんですが、案外喋れるもんだなって。こんなに喋れたんだって。意外な発見でした。あはは。本当、こんなに喋れるって思ってなかったですね。
── 今の生活が続くといいなと思う人(無名人インタビュー)
「案外喋れるもんだな」。話す役に徹して、初めて分かったことです。話が下手だったのではなく、話す役に徹する場が、日常になかったのかもしれません。
聞く側にも、同じことが言えます。聞く役に徹すると決めていれば、次に何を言うかを考えなくていい。譲るタイミングを計らなくていい。聞くことに、注意を全部使えます。
雑談に、区切りを持ち込む
日常の雑談を、全部インタビューにすることはできません。持ち込めるのは、区切るという考え方です。
数分間だけ、どちらかの役に徹してみます。
相手が話し始めたら、しばらくは「聞く役」と決めます。自分の話す準備を止めて、次に言うことを考えず、順番を狙わず、ただ聞く。
聞く番と話す番を、はっきり分けます。聞く番は、数分と決めて、その間は自分の話をしません。番が替わったら、話す番として話します。話す番では、聞くことは忘れて、話す役に徹します。話すのは、相手の話への感想やアドバイスではなく、自分のことを、自分の話としてです。
つまずいたとき
途中で話したくなることがあります。そのときは、その気持ちを無理に消さなくて大丈夫です。区切りがつくまで、少しだけ待ちます。
法則9 待つの回で、待つことを扱っています。
数分を守れなくても、かまいません。混ぜない時間が少しでもあれば、十分です。
まとめ
法則17 話すと聞くを区切る
話すと聞くを混ぜず、数分間、どちらかの役に徹する。
雑談が疲れるのは、会話が下手だからではなく、話すと聞くの準備を、両方持ったまま待っているからだと考えています。まとまった時間、どちらかの役に徹する。それが、区切るということです。
次の法則18は、欲に名前を付けることです。
無名人インタビューについて
無名人インタビューは、2020年から続く一般の方へのインタビュー活動です。16人の制作メンバーが年間約400本、これまでに1,500本以上のインタビューを記事にしてきました。この記事の引用はすべて公開済みのインタビュー記事からのものです。
- インタビューを受けてみたい方:インタビューを受ける
- 聞き方を練習してみたい方:聞く学校(無料・オンライン)で、月に数回、会を開いています
聞くことは愛すること。
公開


