
性別適合手術で戸籍を変えた50代公務員。日本一になっても消えない問い
ここは本当の自分のいるべき場所ではないんじゃないかなあ
現在
現在は転勤で実家に戻り、県庁で会計事務を担当。同居する84歳の母と役割分担しながら暮らすが、新しい職場や土地にまだ慣れず、気分の浮き沈みが激しい。手術や戸籍変更のことは母に直接話しておらず、母も触れない。趣味のゴルフやコーヒー、タロットで気を紛らわせつつ、部屋で何も考えずぼんやり過ごす時間が多い。2023年には性別を公表してミスターオブザイヤーでグランプリを獲得した。
過去
女性として生まれ、小学校低学年から自分の心は男性だと感じ、誰にも話せずに育った。短大は女子校を選んだが違和感は消えず、卒業後は地方公務員として女性のまま働いた。32歳で父を亡くす。2018年、職場で同じ経験をした人に出会い、性同一性障害の診断を受けて性別適合手術を決意。ホルモン注射、胸と子宮の手術を経て、2年かけて戸籍を男性に変えた。生殖器の手術は不安から見送った。
それは、自分の人生を嘘で固めたくなかったっていう解放だったと思います。
未来
これからはみんなが笑って暮らせる未来を願う。まだ見ぬ心のパートナーを見つけ、コーヒーを飲んだり神社に行ったり、お互いに依存しすぎない関係で人生を歩みたいと望む。理想が高いと友人には言われるが、この年齢まで来たのだからそれでいいとも思っている。最後に、嘘のないあるがままの人生を我慢せずに生きてほしいという願いを人々に伝えたいと語る。
もしパートナーがいたとしたら、常にパートナーが挑戦したいと思うことを応援する。そんな愛を捧げたいです。
公開
聞き手:栗林康弘

