
「一億円あげます、明日から自由です」って言われても、困る。——ある夜の対話・後編
他人——自分の外側にあるものっていうのは、基本的に「のっぴきならない」というか、まあ戦争状態なのよ。
現在
子育てをしながら時短勤務で働き、職場ではうまく振る舞えているが、内面では強い倦怠感と虚無感を抱えている。何をしても感動できず、他人や社会に対して根深い不信と警戒心を持つ一方、親身になれる人を羨ましく思う自分もいる。パートナーとは「思想離婚」というかたちですれ違いを自覚しており、2028年度からの新規就農・地方移住を検討しているが、動き出す気力が湧かない状態にある。
過去
文系の社会人大学院に進学したが、3〜4年在籍しても何も生み出せず「制作に対する適性」への疑問を抱えたまま休学し、いま退学を検討している。受験期も就職期も「次どうしよう」という不安に追われながら人生を進めてきたと振り返る。ここ2年ほどでメンタルが崩れ、「生まれてきて良かったのか」と思うほどの虚無感を抱えるようになった。
俺、ずっと人生が「次どうしよう」の繰り返しで進んできたんだよね。
未来
明確な将来像は描けておらず、「一億円あげて自由にしていい」と言われても困ってしまうほど、思考から逃れられない状態にある。新規就農は選択肢として意識しているが、覚悟の重さや飽きることへの不安から踏み出せずにいる。今のネガティブな感情はあくまで「この瞬間のスナップショット」であり、常にそうであるわけではないと自ら言い添えている。
「一億円あげます、明日から自由です」って言われても、困る。
公開
聞き手:吉岡詩織(Tapi)

