「親の葬式 気持ち」「親を見送った」。そうした言葉で検索して、このページを開いた方がいるかもしれません。ここにあるのは、悲しみ方の手引きでも、こうすれば楽になるという案内でもありません。親や家族を見送った経験のある人が、そのことをどんな言葉で話したか。その記録です。
無名人インタビューは、有名無名を問わず、その人の人生の話を聞くインタビュー企画です。これまでに1,500件以上のインタビュー実例を公開してきました。そのなかから、見送った日のことが語られている5本を選びました。「ヤクルト持って、母の遺影を眺めていた」と一番古い記憶を話す人。「まだあったかい箱を持ってね」と納骨に行った道のりを話す人。「それが最後の務めだと思ってやりました」と、自分がやった手続きの話をする人。同じ「葬式」という言葉が出てきても、その先に続く話は、一本ずつ違います。
これから経験するかもしれない方も、済んだことを思い返している方もいると思います。どちらにも当てはまる答えは、この記事には置いていません。5本を一つの教訓にまとめることもしませんし、掲載の順番にも意味はありません。各項目には、その人が話した言葉をそのまま引用しています。要約も言い換えもしていません。引用はすべて、公開済みの記事からの原文そのままです。
1.一番古い記憶は、母の葬式
自分の一番古い記憶はって言われたら、母の葬式ですね。ヤクルト持って、母の遺影を眺めていたことを覚えていますね。
── 明日の自分は今日の自分より面白いことを探してるしやってる人(無名人インタビュー)
一番古い記憶として挙げられているのが、母の葬式の場面です。ヤクルトと遺影という二つのものが、その記憶のなかに残っていると話されています。2歳で母を亡くした20代男性が、自分の記憶の始まりを聞かれて答えた部分です。
2.まだあったかい箱を持ってね
そしたら次の日のお昼に義理のお母さんが亡くなって、待っててくれたんだなと思いながら、私と旦那さんだけでお葬式と火葬を済ませて。お寺に納骨に行って、まだあったかい箱を持ってね。
── 笛吹きの人(無名人インタビュー)
前日から続く話を受けて、「そしたら」から始まる一節です。義母を夫婦二人で見送った60代女性の語りで、お葬式、火葬、納骨と続いた一連のことが、「まだあったかい箱」という手のなかの感触まで含めて話されています。
3.岡野由紀子さんで、漢字も一緒で
岡野由紀子さんで、漢字も一緒で。お義母さんが亡くなって、四十九日とかお葬式とか行くじゃないですか。私も参列してるわけですよ。
── 大正生まれのおばあちゃんの存在大きかったなって人(無名人インタビュー)
「岡野由紀子さん」は義母の名前で、語り手と同姓同名だと説明されています。自分と同じ名前の人を見送る場に、参列者として立ち会った40代女性の語りです。この話がどんな流れで出てきたのかは、リンク先の記事にあります。
4.それが最後の務めだと思って
とりあえず、母よりは私のほうがしっかりしてるので、私がしっかりしないとって思って、葬儀の手配や引っ越しとか死亡届とか、そういうのも全部して、それが最後の務めだと思ってやりました。
── 路上画家あるいはモヤモヤが晴れつつある人(無名人インタビュー)
家族を亡くし、葬儀・手続き一切を担った女性が話した部分です。葬儀の手配、引っ越し、死亡届。やったことを一つずつ挙げたうえで、それが「最後の務め」という言葉でまとめられています。この前後の話は、記事の本編にあります。
5.今まで人生で葬式3回ぐらい行きました
私、今まで人生で葬式3回ぐらい行きました。父親と祖母と、母方の叔父の葬式に3回行ったんですよ。
── 人の生き方って葬式に出るのかなと思って、生き方を考えるようになった人(無名人インタビュー)
行った葬式の回数と、それが誰の葬式だったかが挙げられています。父親、祖母、母方の叔父。父の葬式を経験した20代女性の語りです。記事タイトルにも「人の生き方って葬式に出るのかな」という言葉が使われています。その先は本編で読めます。
読み終えたあなたへ
「一番古い記憶」として葬式を挙げる人がいて、「まだあったかい箱」を手に持ったことを話す人がいて、「最後の務め」として死亡届のことを話す人がいます。覚えていることも、それをどう言うかも、5人それぞれで違います。誰かの言い方が、あなたの言い方と違っていても、それでかまわないのだと思います。
読みながら、自分のときのことを思い出した方がいるかもしれません。思い出したことを、そのまま置いておいてもいいですし、話す側にまわることもできます。無名人インタビューは、誰でも応募できます。順序立てて説明できるようになってから、という決まりはありません。話したくないことは、話さないままでかまいません。話せるところだけで、インタビューは成り立ちます。
自分のことより先に、人の話を聞くところから始めたいという方には、「聞くお茶会」という場もあります。そこで何かを話す必要はありません。
無名人インタビューについて
無名人インタビューは、2020年から続く一般の方へのインタビュー活動です。約20名のインタビュアーが年間約400件、これまでに1,500件以上のインタビューを記事にしてきました。
- インタビューを受けてみたい方:インタビューを受ける
- 聞き方を練習してみたい方:聞く学校(無料・オンライン)で、実際のインタビューを見て話し合っています
聞くことは愛すること。
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