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COLUMN

出産の日のこと。無名人インタビュー5選

「出産 体験談」。そう検索してこのページを開いた方がいるかもしれません。ここにあるのは、こう産むといい、こう準備するといい、という案内ではありません。出産にまつわる時間を通った人たちが、そのことをいま、どんな言葉で話しているか。その記録です。

無名人インタビューは、有名無名を問わず、その人の人生の話を聞くインタビュー企画です。これまでに1,500件以上のインタビュー実例を公開してきました。そのなかから、出産のことが語られている5本を選びました。産んだ側の語りが4本、父親の側から話された語りが1本です。「もうそれだけでいい」と話す人、「とにかく至福な体験だった」と話す人、「まだもうちょっと自分は何かやれた」と話す人。同じ出産という一語でくくられていても、そこから出てくる言葉は、どれも似ていません。

これから出産を控えている方も、もう経験した方も、別の立場からこの言葉に触れている方も、この5本のどこかで自分と重なる言葉に出会うかもしれませんし、まったく重ならないかもしれません。どちらでもかまわないつもりで並べています。掲載の順番に意味はありませんし、5本を一つの結論にまとめることもしていません。各項目には、その人が話した言葉をそのまま引用しています。要約も言い換えもしていません。引用はすべて、公開済みの記事からの原文そのままです。

1.生きて産まれてくれたら、もうそれだけでいい

とにかく生きて産まれてくれたら、もうそれだけでいいって主人と二人で思ってました。

── 棺桶の中まで美しくの人(無名人インタビュー)

願うことが「生きて産まれてくれたら」というところにあった、40代女性の語りです。一人の思いとしてではなく、「主人と二人で思ってました」という形で話されています。そこに何があったのかは、この記事では触れません。その前後の話は、リンク先の記事にあります。

2.とにかく至福な体験だった

実際、自宅で助産師さんとドゥーラさんについてもらって、産んだんですね。その経験が、とにかく至福な体験だったんです。

── もしあなたが今夜目をつむって、明日の朝目覚めたときに、奇跡が起こって、あなたが解決したいと思っていた問題が全て解決していたとしましょう。人(無名人インタビュー)

自宅で、助産師とドゥーラ(出産に付き添う支援者)についてもらって産んだ、30代女性の語りです。その経験が「至福な体験」という言葉で言い表されています。産む場所の良し悪しの話ではなく、この人が自分に起きたことをどう言うか、という言葉です。

3.本能のまま産んだっていう感じ

qbcさんは男性だから分からないと思いますけど、出産って本当、体の本能を、本能のまま産んだっていう感じなんですよね。人間もすごい、動物なんだなっていうか。

── 思春期ママの救世主 海外在住約20年の人(無名人インタビュー)

聞き手のqbcさんに「男性だから分からないと思いますけど」と断ってから、出産のことが話されはじめます。海外で出産した30代女性が、自分に起きたことを「人間もすごい、動物なんだな」というところまで広げて話した一節です。このやりとりの続きは、記事本編にあります。

4.辞めて1年以内に妊娠だったんですよ

なんていうんでしょう、ちょうど、アイドル辞めて、すぐではないかな、でも辞めて1年以内に妊娠だったんですよ。で、当時は21歳だったから、まだもうちょっと自分は何かやれたと思って。

── オタクと繋がった元地下アイドルの人(無名人インタビュー)

アイドルを辞めた時期と、妊娠した時期が、続けて話されています。「辞めて1年以内」という近さと、「当時は21歳だったから」という年齢が、同じひと続きの言葉のなかに出てきます。そのうえで、「まだもうちょっと自分は何かやれた」という当時の思いが話されています。21歳で妊娠・出産した元アイドルの語りです。

5.なかなか子供を授かれず

2003年に結婚したので去年で丸20年だったんですけど、なかなか子供を授かれず。結婚して2年経ったときに自然妊娠したんですが、すぐ駄目になっちゃいまして。

── 過去帳整理したら娘が産まれた人(無名人インタビュー)

2003年の結婚から「去年で丸20年」まで、経った時間が年数で示されます。娘を授かるまでの年月のはじまりを話した、40代の父親の語りです。そこから娘が産まれるまでのことは、この記事では書きません。その話は、元記事にあります。

読み終えたあなたへ

「もうそれだけでいい」と言う人がいて、「とにかく至福な体験だった」と言う人がいて、「なかなか子供を授かれず」と話す人がいます。出産という一語のなかに入っている時間は、人によって長さも形も違っていました。ここにあるのは5人分の言葉で、それ以上でも以下でもありません。読んで、自分のときのことや、自分の場合を考えた方もいると思います。

その考えたことは、話す側にまわって話すこともできます。無名人インタビューは、誰でも応募できます。きれいにまとまってから、という条件はありません。話したくないことは、話さないままでかまいません。話さないと決めたことがあるままでも、インタビューは成り立ちます。

まず人の話を聞くほうから始めたい、という方には「聞くお茶会」という集まりもあります。自分のことを話すかどうかは、そこで決めてかまいません。


無名人インタビューについて

無名人インタビューは、2020年から続く一般の方へのインタビュー活動です。約20名のインタビュアーが年間約400件、これまでに1,500件以上のインタビューを記事にしてきました。

聞くことは愛すること。

公開

栗林康弘

このコラムを書いた人

栗林康弘(qbc)

無名人インタビュー主宰/聞く学校 校長

2020年に無名人インタビューを始めました。自分で872人の話を聞き、423本を編集。いまは16人の制作メンバーとともに年間約400件のインタビューを行い、これまでにのべ132名が聞き手・編集として参加しています。公開した実例は1,500件以上。聞き方の体系として「平聴(フラットリスニング)」を提唱し、2026年に「聞く学校」を開きました。1978年生まれ。(2026年8月21日現在)

栗林康弘のプロフィール →
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