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COLUMN

就活のこと。無名人インタビュー5選

「就活 つらかった 体験談」。そう検索してこのページを開いた方がいるかもしれません。ここにあるのは、こう答えれば通る、こう準備すれば受かる、という案内ではありません。就活と呼ばれる時期を実際に通った人たちが、そのことをいま、どんな言葉で話しているか。その記録です。

無名人インタビューは、有名無名を問わず、その人の人生の話を聞くインタビュー企画です。これまでに1,500件以上のインタビュー実例を公開してきました。そのなかから、就活のことが語られている5本を選びました。「内定いただいたので、そこに行こうと思ってます」と話す人がいて、「その就活をやめて」と話す人がいて、「本当に就活はつらかったっすね」と話す人がいます。同じ就活という一語で呼ばれていても、そのあいだに起きたことも、そのあとの行き先も、5本それぞれで違っています。

いま就活のさなかにいる方も、終わってから何年か経って振り返る側にいる方も、重なる言葉があってもなくても読めるように並べています。掲載の順番に意味はありませんし、5本を一つの結論にまとめることもしていません。各項目には、その人が話した言葉をそのまま引用しています。要約も言い換えもしていません。引用はすべて、公開済みの記事からの原文そのままです。

1.本という媒体には関われるなって思った

そんなとき、雑誌とかの表紙をやってるデザイン会社があって。そこなら、編集者としてではないんですけど、本という媒体には関われるなって思ったので、そちらを受けたところ、内定いただいたので、そこに行こうと思ってます。

── 面接は嘘がつけへんから、自分の実力で勝負するしかないなって就活終了した人(無名人インタビュー)

研究者志望から進路を変えた理系学生の語りです。受ける会社を決めたときのことが、「編集者としてではないんですけど、本という媒体には関われるな」という言い方で話されています。そこにたどり着くまでの経緯は、リンク先の記事にあります。

2.他人の考えと自分の考えの境目がわからなくなってしまって

あともう一つ、やり直そうと思った理由としては、就活中にいろんな面接官だったり、社会人の方だったりとお話しする機会がたくさんあって、いろんな人とお話してるうちに、自分が今考えてることが、ほんとに自分から発されたものなのか、それとも誰かが言ってたからそう思うのかっていう、他人の考えと自分の考えの境目がわからなくなってしまって、自分がどうしたいのかっていうのが見えなくなってしまったっていうのがもう1つの理由ですね。

── 就活中に「自分が今考えてることが、ほんとに自分から発されたものなのか」わからなくなって、休学した大学生の人(無名人インタビュー)

面接官や社会人と話す機会が重なるなかで起きたことが、ここで話されています。何が起きたかの説明として出てくるのが、「他人の考えと自分の考えの境目がわからなくなってしまって」という一節です。この人は就活を中断して休学しました。休学の前後にあったことは、記事本編で話されています。

3.その就活をやめて単身でジョージアに乗り込んできた

自分が何が本当にしたいのかっていうのがわからなくて、その就活をやめて単身でジョージアに乗り込んできたんですけど。

── まっすぐな道じゃない人がいてもいいのかなって人(無名人インタビュー)

就活をやめたことと、ジョージアという国に渡ったことが、一つの文のなかで続けて出てきます。就活をやめて単身でジョージアに渡った20代女性の語りで、理由として話されているのはこの一言だけです。その先の話は、元記事にあります。

4.本当に就活はつらかったっすね

すごい就活も、本当何百社受けて、内定それで、銀行1社からしかもらえなかったみたいな形で。なので、本当に就活はつらかったっすね。

── 人生はお金じゃないっていうのは正直嘘だと思ってて。人(無名人インタビュー)

何百社受けて1社内定だった30代男性の回想です。受けた数と内定の数が続けて話されたあとに、「本当に就活はつらかったっすね」という一文が来ます。就活のあとのことは、元記事のほうで話されています。

5.レールから外れるのがすごく怖くなった

でも例えば、もし仮に単位が足りませんでしたとか、卒論が書けませんでしたとかで、留年とかになったら、内定を取り消されて、就活をやるならもう1年またやり直してみたいなことになると思うんですけど、その先がすごく怖いというか。昔はレールを外れるのがむしろかっこいいみたいに思ってたのに、年をとるにつれてレールから外れるのがすごく怖くなった。

── 自分の創作を世に放って、たくさんの人に自分のことを知ってもらいたい人(無名人インタビュー)

留年したら、という仮定から話が始まります。「内定を取り消されて、就活をやるならもう1年またやり直して」という先のことを、この人は「その先がすごく怖い」と言い表しています。内定が出たあとに、留年した場合のことを考えた20代男性の語りです。レールについての見方が昔とは変わったということも、同じ一続きの言葉のなかで話されています。

読み終えたあなたへ

「他人の考えと自分の考えの境目」がわからなくなった人がいて、何百社受けた人がいて、内定が出たあとに「レールから外れるのがすごく怖くなった」と話す人がいます。そこで何が起きて、そのあとどこへ行ったかは、5本それぞれでした。ここにあるのは5人分の言葉で、それ以上でも以下でもありません。

読んで自分のときのことを思い出した方も、いま進行中のまま読んだ方もいると思います。そこで思ったことは、今度は話す側にまわって残すこともできます。無名人インタビューは誰でも応募できます。就活が終わっていることも、結果が出ていることも、条件ではありません。話したくないことは、話さないままでかまいません。話せるところだけで、インタビューは成り立ちます。

先に人の話を聞くほうから始めたい、という方には「聞くお茶会」という集まりもあります。自分のことを話すかどうかは、あとで決めてかまいません。


無名人インタビューについて

無名人インタビューは、2020年から続く一般の方へのインタビュー活動です。約20名のインタビュアーが年間約400件、これまでに1,500件以上のインタビューを記事にしてきました。

聞くことは愛すること。

公開

栗林康弘

このコラムを書いた人

栗林康弘(qbc)

無名人インタビュー主宰/聞く学校 校長

2020年に無名人インタビューを始めました。自分で872人の話を聞き、423本を編集。いまは16人の制作メンバーとともに年間約400件のインタビューを行い、これまでにのべ132名が聞き手・編集として参加しています。公開した実例は1,500件以上。聞き方の体系として「平聴(フラットリスニング)」を提唱し、2026年に「聞く学校」を開きました。1978年生まれ。(2026年8月21日現在)

栗林康弘のプロフィール →
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