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COLUMN

いじめられた過去を語る人の話。無名人インタビュー5選

「いじめ 大人になってから」「いじめ 過去」。そうした言葉で検索して、このページにたどり着いた方がいるかもしれません。ここにあるのは、いじめについての解説でも、これからどうすればいいかの手引きでもありません。いじめられた過去を持つ人が、大人になったいま、そのことをどう話しているか。その記録です。

無名人インタビューは、有名無名を問わず、その人の人生の話を聞くインタビュー企画です。これまでに1,500件以上のインタビュー実例を公開してきました。そのなかから、いじめられた経験が語られている5本を選びました。引用したのは、いじめの場面そのものではなく、そのあとの時間について話された部分です。「ウラを見ちゃうようになってしまって」と話す人、「いじめられてた歌」をライブで歌った人、「しなくていい経験もあるよねって話」と言う人。同じ言葉で呼ばれる経験でも、そこから出てくる言い方はそれぞれ違います。

この記事は、5本を一つの結論にまとめません。掲載の順番にも意味はありません。各項目には、その人が話した言葉をそのまま引用しています。要約も言い換えもしていません。引用はすべて、公開済みの記事からの原文そのままです。

1.ウラを見ちゃうようになってしまって

子供の時からすごくひねくれてて。小中と、特に中学でいじめに遭ってんですけど、人と接するのが苦手とまで言わないんだけど、ウラを見ちゃうようになってしまって。

── 中学の時にいじめに遭っていた43歳の人(無名人インタビュー)

「子供の時からすごくひねくれてて」という自己紹介のような一文から始まり、そのあとに中学でのいじめのことが出てきます。ただ、そこから続くのは当時の出来事の説明ではなく、人との接し方の話のほうです。人との接し方について、「ウラを見ちゃうようになってしまって」という言葉が使われています。中学でのいじめを振り返る40代男性の一節で、この前後は元記事で読めます。

2.似たところを持ったお客さんが来られた時が、一番寄り添える

常に何かに怯えてた、自信がない、超ネガティブ人間、いじめられっ子っていう。結構な人生を歩んできたんですけど、結局はそういう自分と似たところを持ったお客さんが来られた時がやっぱ一番寄り添えるというか。

── 自由に羽ばたきたい人(無名人インタビュー)

自分をどう見ていたかを並べたあとで、話は仕事の場面へ移ります。40代女性が、「結構な人生を歩んできた」ことと、いま仕事で人と向き合う場面とをつなげて話しています。似たところを持った人が来たときが「やっぱ一番寄り添える」という言い方で、両者の関係が説明されています。

3.いじめられてた歌を、そのまま歌う

僕の曲は自分の人生をそのまま歌詞にしてるんですけど、ライブでそれを披露したときに、その1人のお客さんが泣いてくださったんですよ。その自分の歌った歌っていうのが、いじめられてた歌、僕が元々いじめられっ子っていうのもあったので、そのことを経験した歌詞をそのまま歌ったんですけど。その時にやってよかったなって。

── 自分の声で、誰かを救いたい。ラップの人(無名人インタビュー)

ライブで自分の曲を歌った日のことが話されています。いじめ経験をラップで表現する20代の語りで、歌詞の成り立ちから、一人のお客さんの反応、そして「その時にやってよかったなって」という一言までが、ひとつながりになっています。この日の話の続きは、元記事で読めます。

4.しなくていい経験もあるよねって話

いじめ駄目絶対ですかね。いじめられてなかったら今の自分は多分ないけど、しなくていい経験もあるよねって話。あのときのその嫌な経験のせいで今苦労してることが0じゃなくって。

── 前に進む人(無名人インタビュー)

「いじめ駄目絶対ですかね」。ここから始まる一節は、二つのことを同時に言っています。いまの自分があることと、それでも、しなくていい経験もあるということ。「今苦労してることが0じゃなくって」という、現在までを含めた言い方です。こう答えるに至る話の流れは、元記事に載っています。

5.家に帰ったら自分がヒーローになって

ただやっぱりリアルタイムでは自分は強い子たちにいじめられてるんですけど、でも家に帰るとやっぱり当時の子供らしくて。人形とか使ってそれを戦わしたりとか、仮面ライダーとか見て、幼稚園ではやられてるけど家に帰ったら自分がヒーローになって戦ってるみたいなことを当時は楽しみにしてたみたいですね。

── ジェットコースターみたいな人生を送ってきた人(無名人インタビュー)

幼稚園でのことと、家に帰ってからのことが、続けて話されています。人形や仮面ライダーの名前が出てきて、「当時は楽しみにしてたみたいですね」という言い方で話されています。幼少期のいじめを振り返る30代男性の語りです。

読み終えたあなたへ

いじめという一語では、5人の話はまとまりません。「ウラを見ちゃう」ようになったと話す人がいて、似たところを持ったお客さんに寄り添うという人がいます。「いじめ駄目絶対ですかね」と言ったうえで、それでも今の自分の話をする人もいます。自分の経験をどう言い表すかは、それぞれの人の言葉のなかにあります。この記事の側から、そこに順番や優劣をつけることはしません。

読みながら、自分の場合はどうだったか、と思い出した方がいるかもしれません。そのときは、今度は話す側にまわることもできます。無名人インタビューは誰でも応募できます。整理してから来る必要はありませんし、話したくないことは話さないままでかまいません。

話すのはもう少し先にして、誰かの話を聞くところから始めたい方には、「聞くお茶会」という場もあります。話す側にまわるかどうかは、そのあとで決めてかまいません。


無名人インタビューについて

無名人インタビューは、2020年から続く一般の方へのインタビュー活動です。約20名のインタビュアーが年間約400件、これまでに1,500件以上のインタビューを記事にしてきました。

聞くことは愛すること。

公開

栗林康弘

このコラムを書いた人

栗林康弘(qbc)

無名人インタビュー主宰/聞く学校 校長

2020年に無名人インタビューを始めました。自分で872人の話を聞き、423本を編集。いまは16人の制作メンバーとともに年間約400件のインタビューを行い、これまでにのべ132名が聞き手・編集として参加しています。公開した実例は1,500件以上。聞き方の体系として「平聴(フラットリスニング)」を提唱し、2026年に「聞く学校」を開きました。1978年生まれ。(2026年8月21日現在)

栗林康弘のプロフィール →
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