「死別 体験談」「家族を亡くして」。そうした言葉で検索して、このページを開いた方がいるかもしれません。ここにあるのは、悲しみ方の説明でも、こう考えれば楽になるという案内でもありません。大切な人を亡くした経験のある人が、いま、そのことをどんな言葉で話しているか。その記録です。
無名人インタビューは、有名無名を問わず、その人の人生の話を聞くインタビュー企画です。これまでに1,500件以上のインタビュー実例を公開してきました。そのなかから、死別のことが語られている5本を選びました。「彼女が生きれなかった12年間」と年数で数える人、「自分の人生が開けたみたいな感覚」という言い方をする人、「それから今の自分が形成された」と話す人。同じ「死別」という言葉でくくられる経験でも、出てくる言葉は、どれも似ていません。
悲しみ方に正しい形がある、という前提は、この記事には置いていません。5本を一つの教訓にまとめることもしませんし、掲載の順番に意味もありません。各項目には、その人が話した言葉をそのまま引用しています。要約も言い換えもしていません。引用はすべて、公開済みの記事からの原文そのままです。
1.彼女が生きれなかった12年間
今私34ですけど、22歳で亡くなった子が生きれなかった12年間っていうのを、私は生きてるんで。彼女が生きれなかった12年間。
── 東日本大震災で亡くした同級生より私が死ぬべきだったんじゃないかと思った人(無名人インタビュー)
東日本大震災で同級生を亡くした34歳の人が、その後を語った部分です。34歳のいまと、22歳で亡くなった同級生。その差が「12年間」という長さで言い直されています。この一節の前後にどんな話があったのかは、元記事のなかにあります。
2.母が亡くなったことで自分の人生が開けたみたいな感覚
私、母が亡くなったことで自分の人生が開けたみたいな感覚があるんです。
── 自分で決めたことをやっていく人(無名人インタビュー)
幼少期に母を亡くした50代女性が、自分の人生を振り返って話した一節です。母の死とつなげて、「人生が開けたみたいな感覚」と語られています。
3.それから今の自分が形成された
でも、弟が7歳、わたしが9歳のときに弟が亡くなったんですね。それが生まれて初めて起きた一番ショッキングな出来事で、それから今の自分が形成されたなと感じています。
── 夫といるときが一番落ち着く人(無名人インタビュー)
弟が亡くなったのは、語り手が9歳のときだったと話されています。幼少期にきょうだいを亡くした30代女性が、そのときのことと現在の自分を、「それから今の自分が形成された」という形でつないでいます。どういう流れでこの言葉が出てきたのかは、記事本編で読めます。
4.2歳で母親と死別するってなかなかない
2歳で母親と死別するってなかなかないと思うんで。まあでも友達は結構知ってたんで、理解はしてくれてましたね。
── 明日の自分は今日の自分より面白いことを探してるしやってる人(無名人インタビュー)
自分の経験の珍しさに触れたあと、話は友達のほうへ移ります。2歳で母を亡くした20代男性が、自分のことの説明と、周囲との関係を続けて話した部分です。この前後の話は、リンク先にあります。
5.最後、息子の結婚式出て孫が見れたら
自分の身近な人が亡くなっているところを見てるっていうのを考えると、いつかは自分もそうなるんだろうなって思ってしまうところがあるんで。プライベートなところで言うと、最後、息子の結婚式出て孫が見れたらいいなぐらいな感じで思ってますし。
── やったことないことをやるときのすごく興奮する人(無名人インタビュー)
「いつかは自分もそうなるんだろうな」という見通しのあとに、息子の結婚式と孫の話が続きます。身近な人を見送ってきた、父の死後に会社を継いだ30代経営者の語りです。身近な人を見送ったことと、これから先に望むことが、一続きの言葉になっています。
読み終えたあなたへ
5人の言い方は、そろいません。「12年間」と年数で数える人がいて、「人生が開けたみたいな感覚」と言う人がいて、「それから今の自分が形成された」と言う人がいます。死別を自分の人生のどこに置くかは、話す人の数だけ違っていました。
読みながら、自分の場合を思い出した方がいるかもしれません。そのときは、話す側にまわることもできます。無名人インタビューは、誰でも応募できます。きれいに順序立てて説明できるようになってから、という決まりはありません。話したくないことは、話さないままでかまいません。話せるところだけで、インタビューは成り立ちます。
人の話を聞くほうから始めたい、という方には「聞くお茶会」という場もあります。自分のことを話すかどうかは、そのあとで決めてかまいません。
無名人インタビューについて
無名人インタビューは、2020年から続く一般の方へのインタビュー活動です。約20名のインタビュアーが年間約400件、これまでに1,500件以上のインタビューを記事にしてきました。
- インタビューを受けてみたい方:インタビューを受ける
- 聞き方を練習してみたい方:聞く学校(無料・オンライン)で、実際のインタビューを見て話し合っています
聞くことは愛すること。
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