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COLUMN

依存症とともに生きた人の話。無名人インタビュー5選

「アルコール依存 体験談」「ギャンブル依存」。そうした言葉で検索して、このページを開いた方がいるかもしれません。ここにあるのは、依存症の解説でも、相談先の一覧でもありません。それにかかわる時間を過ごした人が、自分のこととしてそれをどう話したか。その記録です。

無名人インタビューは、有名無名を問わず、その人の人生の話を聞くインタビュー企画です。これまでに1,500件以上のインタビュー実例を公開してきました。そのなかから、依存症にふれて語っている5本を選びました。はじめの3本は、パチンコやパチスロにふれながら自分自身のことを話した語り。あとの2本は、アルコール依存症の父を持つ人の側から話された語りです。 各項目には、その人が話した言葉をそのまま引用しています。要約はしていません。引用はすべて、公開済みの記事からの原文そのままです。「過去の自分への罪滅ぼしも兼ねて」と話す人もいれば、「子供の頃から親がすごく苦手で」と話し始める人もいます。並べた順番に、優劣や段階の意味はありません。

1.過去の自分への罪滅ぼしも兼ねて

ギャンブル等依存症、パチンコ・パチスロは、僕が大学生の頃に自分自身がパチンコやパチスロを打ってたんで(笑)過去の自分への罪滅ぼしも兼ねてと思ってます。

── 自分がやりたいことにとことん向き合うっていうのを若いうちに経験してもらいたい人(無名人インタビュー)

ギャンブル依存症を研究する40代男性研究者の語りです。研究のテーマを説明する流れのなかに、大学生の頃の自分自身のことが(笑)とともに差し挟まれています。研究する側の立場と、かつて打っていた側としての経験が、ひと続きの文に並んでいます。

2.パチンコとバイトばっかりだった生活から

大学3年生になって、時間的な余裕もあって、何かやりたいなと思って。パチンコとバイトばっかりだった生活から、夏に初めて被災地ボランティアに参加して。

── 自分には親身になって聞いてくれる人がいなかったんで今度は自分がなってあげようと思う人(無名人インタビュー)

話しているのは、「パチンコとバイトばっかりだった」生活を振り返る30代男性です。大学3年生の夏に初めて被災地ボランティアに参加したところまでが、時間的な余裕という理由とともに、続けて話されています。その夏のあとに何があったのかは、元記事のなかで語られます。

3.先延ばししちゃった結果、通えなくなって

それが苦痛で苦痛で。今日はいいやって最初1回休んじゃって、サボってパチンコ屋行ったりとかゲーセンで過ごしてたりとか。だんだんずっと先延ばししちゃった結果通えなくなって修士が取れなくて、結果除籍になるっていう。

── ダイエットヒーローの人(無名人インタビュー)

大学院に通えなくなっていった時期を、30代男性が振り返っています。苦痛だという感覚から、一度休んだこと、パチンコ屋やゲームセンターで過ごしたこと、先延ばしが重なったことへと、順を追って話が進みます。除籍という結果までが、ひと続きの言い方のなかに置かれています。記事タイトルにあるダイエットヒーローの話とこの一節がどうつながるのかは、記事本文にあります。

4.お父さんが家にいるのがすごく苦手だった

子供の頃から親がすごく苦手で。父親がアルコール依存症で喧嘩が絶えないのと、すごくラブラブな時期も繰り返していたりして。あとお父さんが高圧的で、お父さんが家にいるのがすごく苦手だったんですよね。

── 安心が正義みたいな人生だなって思う人(無名人インタビュー)

アルコール依存症の父のもとで育った20代女性の語りです。喧嘩が絶えないことと、ラブラブな時期を繰り返すことが、同じ家の話として続けて出てきます。

5.当事者が良くなると、家族の方に問題が出てくる

アルコール依存症者の当事者が良くなると、家族の方に問題が出てくるという流れで初代の主治医が出てきて「娘さんも診ますよ」って感じになったと思うんですけど。

── 家族の生贄になった人(無名人インタビュー)

5本目は、依存症の父を持つ人が、自分が診てもらうことになった経緯を振り返っている一節です。当事者が良くなると家族の方に問題が出てくる、という流れの説明があり、そこから主治医が自分のことも診ると言った経緯へつながっていきます。この話がどこへ続いていくのかは、リンク先で読めます。

読み終えたあなたへ

5本の語りに、共通する筋書きはありません。罪滅ぼしも兼ねて、と言う人。苦痛で苦痛で、と言う人。主治医の言葉から治療の経緯をたどり直す人。それぞれが自分の言葉で、自分の順番で話しています。この記事の側から、そこに教訓や結論を足すことはしません。

読みながら、自分の家のことや、自分のある時期のことを思い出した方もいるかもしれません。読む側から話す側にまわる道も、開いています。無名人インタビューは、誰でも応募できます。人に説明できるように整った話や、結末のついた話を用意しなくてかまいません。話しているうちに、自分でも用意していなかった言い方が出てくることもあります。ここに並んだ5本も、誰かが話してくれたことで残ったものです。

いきなり自分のことを話すのは、と思う方には、聞く練習の場「聞くお茶会」もあります。話す側ではなく、まず聞く側にすわってみる、という入口です。案内は下にあります。


無名人インタビューについて

無名人インタビューは、2020年から続く一般の方へのインタビュー活動です。約20名のインタビュアーが年間約400件、これまでに1,500件以上のインタビューを記事にしてきました。

聞くことは愛すること。

この記事は個人の体験の記録であり、医療情報ではありません

公開

栗林康弘

このコラムを書いた人

栗林康弘(qbc)

無名人インタビュー主宰/聞く学校 校長

2020年に無名人インタビューを始めました。自分で872人の話を聞き、423本を編集。いまは16人の制作メンバーとともに年間約400件のインタビューを行い、これまでにのべ132名が聞き手・編集として参加しています。公開した実例は1,500件以上。聞き方の体系として「平聴(フラットリスニング)」を提唱し、2026年に「聞く学校」を開きました。1978年生まれ。(2026年8月21日現在)

栗林康弘のプロフィール →
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