
インタビュー 安野ゆり子-003 2023/09/06
私の場合は、最近はもう全部現代文ですね。普段使ってる言葉に寄せようとしています。
現在
安野さんは「心の花」の機関誌4月号に提出した8首について解説。「母は寝たばかりか水を飲みに来た厨に灯油かすかに匂う」「絵馬に書けぬ願い事もち帰る道じゃりりじゃりりと玉砂利は鳴る」「家にある皿の枚数気にしつつ決める今夜は土佐煮もつける」「納豆をふたり黙ってかき混ぜる午後の予定も特にはなくて」など、現代文中心で「自然に三十一音に収める」を目指しています。「面白いものは全部短歌にしてやる」アンテナで日常を1回1回立ち止まって観察、スマホメモで記録する生活が短歌を支えていると語ります。
過去
本記事は安野ゆり子さんを隔週でインタビューする追跡企画の第3回。前回からの2週間で、コロナ感染を経験するも軽症で済み、結果的に動画編集が一本仕上がった「コロナで大変よりも、やるべきことが済んでよかった」状態に。好きな人とのゴタゴタを経て「優しくしない」という新たな心境を獲得しました。今回はqbcの作った短歌「気づいたらもう四十五びっくりだよいやほんとにさほんとにほんと」への鑑賞をきっかけに、安野さんの短歌作りの方法論を深く語る回になっています。
私の前提として、面白いものは全部短歌にしてやるっていうアンテナが常にはってあるんです。
未来
安野さんの短歌観は「自分が思ったままの形で、なるべく自然に三十一音の中に収める」というもの。「ファンシーな短歌や残虐な短歌を作る人もいるが、それは頭の中で世界観を作って詠む」のに対し、自分は「歌の材料になる事実が一つあって、そこに脚色を加える」スタイル。「内容はひとまず誰が読んでも理解できる」短歌を、結社内で目立つ存在から日本中で角川賞などへ広げていきたい。「主人公が変な人だと嬉しい」――読者の人生に何か及ぼす期待よりも、自分が嬉しい・誰かに「うまかった」と言われる承認の喜びを軸に続けていきます。
自分が思ったままの形で、なるべく自然に三十一音の中に収めたいと思っています。

