無名人時計
写真と人 rumica kaji-011 2024/04/23

写真と人 rumica kaji-011 2024/04/23

クリエイティブ 2024年
あくまでも私は、私にはこう見えました、私はこう感じましたって言って写真を撮って、作品にすることしかできなくて。

現在

2024年4月に目黒美術館区民ギャラリーで開催されたグループ展に参加し、6〜7年のブランクを経て本格的な作品発表を再開。金村修ワークショップや大和田良ゼミに通い、小松浩子のインスタレーションに影響を受けて空間構成を意識するように。b1・a1の大型プリント3点と本のインスタレーションで2mの公共空間を構成し、名前プレートを置かず顔のない写真を中心にする独自の演出を試みた。被写体本人の喜びと写真家・横木安良夫からの評価により、ゆらぎながらも表現の方向性に確信を深めている。

過去

福岡時代の10年前にグループ展に参加した経験はあったが、ラボに依頼した美しい額装を整然と並べるだけのスタイルで、空間構成への意識は薄かった。その後6〜7年のブランクを経て2022年10月から作品制作を再開。過去にはルポルタージュに近い感覚で撮影とインタビューを重ねていた時期もある。また精神科通院の経験もあり、「単語がバラバラになって、洗濯機みたいに頭の中でぐるぐる回る」感覚に苦しんだこともある。

最初は全然そんなこと考えてなくて、いかに決定的瞬間とか、すごい1枚がカメラで撮れるかっていうことに昔はこだわっていたし。

未来

7月に初の個展を控え、これまで以上に思い切った表現を打ち出していくつもり。被写体を100人200人と増やし、特定の誰かを『感動ポルノ』的に消費させない作家性を志向する。「自分はこう見えた」としか言えない限界を引き受けながら、ゆらいでいる過程そのものを写真集や展示として記録していく。5年10年と続けるなかでまとまっていくものを信じつつ、現時点での迷いや悩みを忘れないようにとどめておきたいという欲求が、制作の継続意志を支えている。

たくさんたくさん、これからももっと、100人200人とか女性の話を聞いて、作品を作っていきたくて。
全文を note で読む
栗林康弘

このインタビューの監修

栗林康弘(qbc)

無名人インタビュー主宰/聞く学校 校長

2020年に無名人インタビューを始めました。自分で872人の話を聞き、423本を編集。いまは16人の制作メンバーとともに年間約400件のインタビューを行い、これまでにのべ132名が聞き手・編集として参加しています。公開した実例は1,500件以上。聞き方の体系として「平聴(フラットリスニング)」を提唱し、2026年に「聞く学校」を開きました。1978年生まれ。(2026年8月21日現在)

栗林康弘のプロフィール →