人の話を聞くのが苦手だ、と感じることはないでしょうか。聞いているつもりなのに、気の利いた返しをしようとして、かえって話が止まってしまう。
そういうときは、質問の中に、こちらの推測が入っています。
聞き方から考える話し方。法則7は、決めつけないことです。
法則7 決めつけない
相手の答えを、質問で先に決めない。「楽しかったですか?」ではなく、「どうでしたか?」と聞く。

質問に、推測が混ざる
相手が話し始めると、頭の中では、推測が始まります。この人は、こう思っているんだろうな。
その推測が、そのまま質問になります。
「それは楽しかったですか?」
「大変だったんじゃないですか?」
感じのいい質問です。でも、こちらが考えた気持ちを、相手に先に渡している質問でもあります。相手は「はい、楽しかったです」と答えるしかありません。本当は「楽しい」のほかに、もっと複雑な何かがあったとしても、それが言葉になる前に、道がふさがってしまいます。
答えを限定しない聞き方
やり方は単純です。質問から、こちらの推測した気持ちと評価を抜きます。
「楽しかったですか?」ではなく、「どうでしたか?」。
「大変だったんじゃないですか?」ではなく、「そのとき、どんな気持ちでしたか?」。
「どうでしたか?」は、頼りない質問に見えるかもしれません。何も指定していないからです。でも、何も指定していないから、相手は、自分の中から言葉を探し始めます。
インタビューの現場では
無名人インタビューの実際の回です。趣味の読書について、聞き手が「どんな気持ちになりますか」と聞いた場面です。
「読んでるときは、どんな気持ちになりますか。」
脳内で書いてある本に自分がいろいろ意見を言ってるんですよね。それは本当にそうかなとか、俺だったらこうだけどなっていう。その本と対話してる時間がすごい楽しいなと。
── 「死にたいと思うんだったらそこで死ね」って言われたときに、死にたいぐらい自分が生きづらいと思っとうだけで本当は生きたいと思ってるんだって気づいた人(無名人インタビュー)
「楽しいですか?」と聞いていたら、答えは「はい」で終わっていたかもしれません。「どんな気持ちになりますか」と聞いたから、本と対話している、という様子まで聞けました。
もうひとつ、最後の質問の場面です。テーマを何も指定せずに、聞いています。
「それでは、最後に言い残したこと、これだけは言いたい、ということはありますか?」
qbcさんと話してて気づいたのは、自分の中に、日本の古い価値観をぶっ壊したいっていう気持ちがあるんだってことですね。実は。言語化したことがなくて、気づいていなかった。だから本当、みんなもっと自由になっちゃえばって。
── 思春期ママの救世主 海外在住約20年の人(無名人インタビュー)
「言語化したことがなくて、気づいていなかった」。語り手は、話しながら、自分の中にあったものに気づいています。
こちらが先に言葉にしてしまえば、この言葉は、生まれなかったかもしれません。
答えが出るまで、時間がかかるとき
何も指定しない質問には、答えるのに、時間がかかることがあります。相手は、自分の中を探しに行っているからです。
そのときは、待ちます。待ち方は、法則9 待つで見ます。
まとめ
法則7 決めつけない
相手の答えを、質問で先に決めない。「楽しかったですか?」ではなく、「どうでしたか?」と聞く。
次は、相手の言葉を受け取るときの話です。「わかる」と言いたくなったときに、何と聞くかを見ていきます。
無名人インタビューについて
無名人インタビューは、2020年から続く一般の方へのインタビュー活動です。16人の制作メンバーが年間約400本、これまでに1,500本以上のインタビューを記事にしてきました。この記事の引用はすべて公開済みのインタビュー記事からのものです。
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聞くことは愛すること。
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