
モンスターをテーマにした演劇の人
キャラクターが持っている怒りとか悲しみと、自分が常日頃持っている社会や自分の人生に対して思っている怒りや悲しみがリンクするっていう瞬間がありますね。
現在
東京の広告代理店に拾われて移住し、2019年頃から本格的に演劇を再開、自身の劇団でフランケンシュタイン・ジキルとハイド・半魚人・狼人間と毎年1作モンスター演劇を上演している。コンテンポラリーダンスと殺陣を融合した身体表現で、モンスターが抱える絶対的な孤独や悲しみと自分の苦しみをリンクさせる脚本を書き、観客に「作者の苦しみが感じられる」と言わせる作品を生み出してきた。同時に演劇教育の資格を活かして小中高生向けワークショップを行い、哲学書『存在と時間』を読みながら表現の根を探っている。
過去
幼少期をアメリカで過ごし、ユニバーサルスタジオのフランケンシュタインやドラキュラに迎えられたモンスター文化の中で育った。日本に戻った中学3年で英語劇『オペラ座の怪人』のファントム役を演じ、全校生徒が水を打ったように静まり熱中する反応に「一生演劇をやることになる」と直感した。高校・大学・大学院(日本演劇史専攻)を通じて演劇を続け、東日本大震災では仙台の被災地で文化庁の支援事業として子どもたちの前で歌い踊り、表現と社会のつながりを実感。新卒で入った仙台の学習塾がブラック企業で両手が痺れる心身の不調に陥り1年余りで退職した。
「多分これ大人になってもずっと、一生、演劇やることになるんだろうな」
未来
2020年から続くモンスター連作は全九部作構想で、今年の吸血鬼(ドラキュラ/ノスフェラトゥ/カーミラ/ヴァン・ヘルシング)、来年の透明人間とミイラ、そして宇宙人を経て、最終九作目に紫色の全身ヤマタノオロチを自ら演じ、過去8体のモンスターを他者に演じてもらって戦う構成を完結させたい。死ぬ瞬間に後悔がないよう一作一作に向き合い、自分が世を去っても脚本だけは後世に残り「面白いじゃん」と読み継がれてほしいと願っている。
もう死ぬ瞬間には全部の後悔がない。頭の中、何もかも全部出し切った状態で死ねたらいいのかなと思いますね。
公開
聞き手:qbc

